[脚本の書き方]『ストーリーの構造を考える』
シェアブログ1558に投稿 脚本を書くにあたっての『構造』を考えます。書くにあたってですが、途中から考えてもよいと思います。
・面白い脚本は『構造』が面白い。 面白い脚本は、世界観が面白い、登場人物が面白い、ストーリーが面白い、台詞が面白いと、『面白い要素』を含んでいると思うのですが、突き詰めて行けば、『脚本の構造が面白い』という事だと思います。世界観や登場人物、ストーリー、台詞等々は、書き手の個性による部分が大きいです。勿論、構造もそうなのですが、構造という骨組みは、色んな作品で共通しています。黄金の構造の『起承転結』を無視した作品は希だと思います。
脚本でなくて、ゲームですが、ファイナルファンタジーとドラゴンクエストの一作品目のストーリーの流れは、『お姫様を助けて、世界を救うために戦う』という部分は共通しています。ファイナルファンタジーは冒頭で助け、ドラゴンクエストは中盤で助けるので、『お姫様を助ける』部分は、両作品で登場する段階が違いますが、まあ、共通しているでしょう。さらにいうと、ドラゴンクエストは、お姫様を助けなくてもゲームクリアが出来ます。
・何が言いたいかと言うと… 脚本を書くにあたって、やはり、参考となる作品は出てくると思います。しかし、世界観や登場人物、ストーリーや台詞を丸ごと参考にしてしまえば、これは、『オリジナル作品』とは言えないでしょう。元ネタを知るお客さんからは、「パクリだ!」と言われるかも知れません。
しかし、構造だけ参考にして、世界観や登場人物を変えてしまえば、これは、別のオリジナル作品ととられるのじゃないでしょうか。もっとも、参考具合にもよります。展開が似ているだけで、気付く人は気付くかも知れません。
だけど、『物語の構造を参考にする』という事は脚本を書くにあたり、非常に武器になります。考えたストーリーやプロットの連結がスムーズに行えるでしょう。だから、この記事は「構造をパクれ!」ではなくて、「構造を参考にしよう!」というコンセプトで書かれています。
・私の書いた『ダンディー・ジョーンズ 魔宮の伝説』という脚本 大学の四回生の時に、『ダンディー・ジョーンズ 魔宮の伝説』という脚本を書きました。その構造を紹介してみます。
先ず、脚本の着想としては、私がJR嵯峨野線で、ダンディーな男性を見た事から始まります。そこで、「カッコ良い男とはどういうものか?」という事を適当に台詞にしてみました。その男性の外見、「首からカメラをぶら下げ、サングラスをかけ、梅宮辰夫を思わせる肌の質感をしていた。」というのをそのまま台詞にしました。
そして、当時、私は、精神的に病んでいたのか、日常的に考える事として、『死とは何か?』という事がありました。前述の『カッコ良い男』と合わせて、『カッコ良い男の死に方』という事が作品のサブ・テーマになりました。テーマは、たしか、『死に方を前向きに色々考えてみる』って事だったと思います。
それで、『死』について話す話なので、悩んでいる男性とカウンセラーが登場し、カッコ良い男の象徴として、ダンディー・ジョーンズというキャラクターを考えました。
ここからが構造です。「男性とカウンセラーがカウンセリングとして、男性が子どもの頃に見ていたTV番組『ダンディー・ジョーンズ 魔宮の伝説』を回想していく。」という構造にしました。構造としては、こうなのですが、男性は、カウンセリングが行われている世界と、『ダンディー・ジョーンズ 魔宮の伝説』の世界を行き来する事になります。どっちが現実で、どっちが架空かは、そんなに厳密に決めていませんでした。いや、決めてましたが、お客さんに伝える事をわざと意識しないようにしていました。
演劇的な手法として、現実パートにいる男性、カウンセラー等々は二役する事になってました。
現実・男性 → TV・雑魚役
現実・女性カウンセラー → TV・CIAのアナリスト
現実・男性カウンセラー → TV・ダンディー・ジョーンズ
現実・さぼりに来るおっさん → TV・悪のボス
現実・事務員の女性 → TV・ダンディーの恋人
という感じで二役です。主人公のカウンセリングを受けに来た男性が、架空世界でヒーローじゃないのが、ミソです。
さて、この現実・架空の二役という構造は、別に私が考えたオリジナルではなくて(同様の設定は沢山ありそう)、私が大学演劇を始めて、一番最初に影響を受けた、高橋いさをさんという脚本家の脚本の構造を参考にしていました。私が彼の作品から学んだ構造の面白さは、『ごく普通の一般人が架空の世界でヒーローになる。」という事です。
高橋いさをさんの作品の構造を参考にしていますが、登場人物や、ストーリー等々は、私のオリジナルです。勿論、『ダンディ・ジョーンズ』は、勿論、『インディ・ジョーンズ』のパロディです。実は、昔、ジャンプの読みきり作品で、『ダンディ・ジョーンズ』という作品があったのですが、それは、書き終わってから、思い出しました・・・。
・起承転結の構造 さて、話の構造や流れは決まって次に考えたのは、『起承転結』の構造でした。なんとなく、話をループさせようと思っていたので、話の冒頭とラストは似たようなシーンにしました。さらに、現実・非現実・架空という要素を混ぜ合わせたかったので、構造を複雑にしました。
ストーリーの進行やシーンを、A,B,C,Dと置き換えます。大まかな話の流れは…
A → B → C → D → A
となります。これだとちょっと単調なので、シーン的に、『現実か非現実かハッキリしていないシーン』や、『似ているけど、ちょっと違うシーン』という要素を加えました。それらをA’B’C’D’としました。さらに、それらの順番も、時系列に沿わない順番にしたりしました。イメージとしては、『一歩進んで二歩下がる』みたいな感じだったと思います。
四年ほど前の脚本なので細部まで覚えてないのですが、流れ図にすると以下のような感じだったと思います。
A → B’ → C’ → B → C → D’ → D → A’
このAとかBの表記は、当時、アイデアノート上で実際に書いていた事で、「どの記号の流れが、構造的に面白いか?」という事を考えていました。
・色んな作品の構造を調べよう。 さて、実際に私が書いた脚本を例にしてみましたが、脚本を書くには、面白い脚本を書くには、『色んな作品の構造を調べる』事が重要だと思います。実際に、脚本でもなくても、映画やドラマ、アニメやマンガを見たり読んだりした時に、話の展開の構造や、世界の構造等々を分析していくと、面白い作品の構造、その作品がどうして面白いのか?という事が見えてくると思います。
そしてそれらの発見は、脚本を書くにあたっての武器になると思います。
評価して頂けると、嬉しくて小躍りを踊ります。
参考:高橋いさをさんの書籍
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