小説ネタ?「食べられないパン」
「パンはパンでも食べられないパンってな~んだ?」
「………。」
学級委員の澄良君は5分くらい沈黙した。本当は、もっと長かったのかもしれない。
「パン!」
「え!?」
「パン!パンパン!パパパン!パン!」
澄良君は力強く「パン」を連呼した。
「ちょ、ちょっと。いや、あのね…。」
澄良君は、「パン!パン!」と連呼しながら帰って行った。そして、翌日、澄良君は学校を休んだ。
5年後、国を憂う若者が反政府の革命軍を結成した。
8年後、国軍と革命軍の戦闘の激化により、A国軍の介入が決定した。
18年後、紛争の集結は見えず、ついにB国も紛争に介入する事になった。
20年後、私は新聞記者となっていた。よくなれたものだと思う。軍、革命軍、A国軍、B国軍に蹂躙され、国土は焦土と化していた。同級生達とも学校を出てから会えていない。みんな、無事だろうか?
ある日、私はテレビの前で目を見張る事になる。澄良君がテレビに出ていたのだ。
「今日は、戦場詩人の澄良さんの所へ来ています。」
…戦場、詩人?
「澄良さんは、高等学校を卒業後、この国の、戦争の状況を憂い、戦場を放浪しながら、詩を読んでおられるのです。」
………。
「澄良さん、辛いと思われた事はないですか?」
「辛いと思った事はないですね、いや、辛いのは、みんな一緒でしょう。」
「そうですね。本当にそうだと思います。今日は、澄良さんが小学生時代に作られた詩を見せて貰えるそうで。」
「はい。」
澄良君の、筆で書かれた詩が、画面いっぱいに映る。
『
パン!パン!というのが
食べられるパンなら
いいのになぁ。 澄良』
それは見事な達筆だった。
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