【小説】『喰いタン』を想像で書く
シェアブログ1に投稿 事件現場には日常とかけ離れた、異質な空気が流れていた。小説等々では、『生臭い風』と書かれるような雰囲気、いや、実際に生臭かったのだ。現場は魚屋の店先。殺人事件。殺されたのは、魚屋を営む、右往留吉(うおう とめきち)さん、35歳だった。
「留吉さんは、近所でも評判の魚屋さんだったそうです。」
「なるほど、店を見ればなんとなく分かりますね。うん。」
店の中には、ゴルフ大会や草野球の大会の賞状、トロフィーの類、芸能人のサイン等々が所狭しと飾られていた。
「ところで、このダイイングメッセージ、どう考えますか?」
「やっぱり、そこに行き着きますね・・・。うん。」
留吉さんは、右手にマグロ、左手にお酢の瓶を握り締めて死んでいた。一体、これにどういう意味が・・・?
「イッタイ、コレニドンナ意味ガ?」
従業員の自称テキサス人のカルロス=マグロッシが呟いた。
「マグロと酢とくれば・・・考えられるのは、お寿司ですが・・・。」
「うん・・・。」
探偵・段杜飯人(だんと いいと)は言葉を区切り、そして続けた。
「それ、喰ってみよう!うん!」
事件現場は魚屋。食材に事欠くことはなかった。1時間後、ささやかながら豪勢な手巻き寿司パーティが開始された。海苔を取り、飯をのせ、具をのせ、巻き、食べる、その一連の作業を段杜は黙々と続ける。彼の頭の中で何かが始まろうとしていた。
「先生、推理の方は、どうですか?」
その問いかけに対して、段杜は小刻みに体を振るわせた後に答えた。
「いえーい!僕の頭は酢入りだぜー!」
段杜の頭の中、脳で革命が起ころうとしていた。段杜飯人、彼はIQ85.000の天才だ。さらに、その脳は、寿司酢に含まれる各種アミノ酸の働きにより活性化される。そして、手巻き寿司パーティが終る頃には、事件の真相、犯人の名前が、その口から告げられた。
探偵・段杜飯人、食べる事で事件を解決する事から、『喰いタン』と呼ばれている。特に寿司絡みの事件では無敵の強さを発揮する。そして、またの名を『少年探偵・段』と言うが、彼は、28歳だ。
完
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今、ドラマでやっている『喰いタン』。見た事ないので、想像で書いてみたら、こんな感じになりました。
【参考】
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