【恋愛小説】『ラストは皆、死ぬ14』・電光石火Ⅲ
2006年5月30日(火) ハローワークに行き、面接の予約を入れる。気になっていた求人を集めていたのだが、とりあえずその中か一番条件がよいと思われるモノを選んだ。何か、就職に関して、あれこれ考えるのがめんどくさくなったというのが本音だ。今、僕には、もっと心を占めることがある。
彼女だ。
気が付けば、彼女と出会ってから二週間が経っていた。もし、一般的な出会いをし、普通に付き合っていれば、それは、めでたい日なのかも知れないが、僕の心は曇ったままだった。分からない事が多すぎる。彼女の事を考えると、一週間前、二週間前の事が思い出される。どうして僕は、あんなにも激しく彼女を求めたのか?彼女は何を思ってたのだろうか?
分からない事が多すぎる。面接の予約を入れた事実をバネにして、彼女にメールをする。
「もう、出会ってから二週間だね。二週間を記念して、ちょっと会わない?」
メールをしたのが昼頃だったせいか、一時間くらい送れて返信が来る。
「セックス?」
不覚にも、その四文字、いや、『?』を加えての五文字をみただけで、僕の中の僕が目を覚まし、屹立する。そうじゃあない。そうじゃあ、ないんだ。自分の中の自分を荒っぽい方法で押さえつけ、返信をする・・・。
「いや、セックスとかじゃあなくて、今日はゆっくりと話さない?変な話だけど、会ってから、あんまりゆっくり喋ってないし・・・。」
本当に変な話だ。僕達は、話した時間よりも、セックスをした時間の方が8倍くらい長い。だから、彼女の事を『彼女』と考えるのも、躊躇してしまう。話さないとダメなんだ、僕達は。返信が来る。
「・・・。」
・・・なんだよ!「・・・。」って!メールにする意味ないじゃないか!沈黙なら沈黙で、考えるなら考えるで、時間をかけてメールを作ってくれよ!そう思うと、まどろっこしくなって彼女に電話をしていた。我ながら、ハローワークでの予約という事実に後押しされた行動力は、すごいと思った。
「とにかく会って話したい。君の事、いっぱい聞きたいし、僕の事も話したい。君と、出会ってから、二回もホテルに行ったけど、全然、君の事が分からない。とにかく会って話したいんだ。今日がダメなら、明日だっていい!」
・・・というような事を話したと思う。彼女がその時に、なんて言っていたかは詳しく覚えてないが、23時くらいに駅近くのファミレスで会う事になった。そして、今、ファミレスで彼女を待っている。「遅いな。」と思ったくらいに彼女からメールが来た。
「ごめんなさい。ちょっと遅れそうです。」
「いいよ。珈琲飲んで待ってる。」
そのメールが23時半くらい。24時に近づき、日付が変わろうとするくらいに、彼女が現れた。気のせいか、少し影が見える。表情が暗い。
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