読書感想『The Book(ザ・ブック)』 (荒木飛呂彦×乙一)
あんまり小説を読まない私が、夕方友人に進められて、ザ・ブックを買ったんだ。
そしたら、その日の日が変わる頃には読み終えていた。「早くお風呂に入りなさい!」「うるさいな!今、小説が面白いのに!」…そんな会話もあった。
果て、差て、以下から感想を書くけど、ネタバレを全て防いで感想を書くのは難しいし、これから読もうと思っている人は、そうそうに立ち去った方が良いだろう。多分、人の感想を読んでからじゃあ、感性が変わるだろうし。なら書くなって?書きたくなったから、仕方がない。
勧めた友人のWeb日記にトラックバックしてやったぜ。
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という訳で、感想とか、気になった事を書きます。
構成が面白かった
小説を読みなれている人なら、多分、「ありきたり」とも思える構成なのかも知れないけど、最初に提示された謎に向かって、読み進めるうちに、それが少しずつ解けて、繋がっていくのは、パズル的な面白さがあった。多分、謎的には超難解ではなくて、ちゃんと読み進めれば教えてくれる安心感があるからだろか?ちょっと考えて、ちゃんと読めば解る謎がテンポ良く配置されているから、頭の中で小気味良く『理解』が連続して、それが面白くて、楽しい部分だと感じた。でも、ちょっと、「あれ?どういう事よ?」と思って、前のページをめくり返したり、「いいや!このまま読み進みたれ!」とか思ったのも、楽しかった。
小説を読んだのは久しぶりだけど、小説を読みなれてなくても、ちゃんと小説って楽しめるのだな、と少し安心した。
ザ・ブック
小説家が【本】題材にして、小説を書くと、妙な面白さがありますね。漫画の中に漫画家が出てくる感じ…とはちょっと違うのですが、なんとも言えない面白さがあります。実際はそうでなくても、作家性や、作者の意思が垣間見えるような気がするからかな。
以下は、ちょっと気になった部分。
馴染む馴染まないの問題
ジョジョ4部を題材に、乙一さんが書いている訳だから、ジョジョ4部の本編に登場した漫画キャラクターと、乙一さんが創ったオリジナルキャラクターがいる訳だが、私の中では、そのキャラクターが頭の中で、上手く馴染まなかった。それは、文章を漫画のジョジョに脳内変換出来るか?の能力さかも知れない。
基本的に、漫画に登場したキャラクターは、台詞や地の文を読むと、顔の表情等々が漫画のイメージとして思い浮かぶのに大して、ザ・ブックでのオリジナルキャラクター達は、乙一さんの文章から想像される、小説的なキャラクターとして、私の中に映った。それは、漫画のノベライズの限界なのかも知れないが、それが上手く馴染まないで、最後まで気になった。
だが逆に、ザ・ブックのオリジナルキャラクター達が完璧にジョジョと融合していれば、それは既存のキャラクターを使った小説化と何も変わらないのかも知れない。その、私の中での馴染まなさも、面白かった部分の一部だと読み終えた時に、思った。
特に、ヒロインは小説ならではの可愛さ(の表現)を感じて、ジョジョ世界に一番馴染まなかった。多分、乙一先生が得意な部分なんじゃあないかな?と思った。
感情移入の問題
ジョジョ4部の主人公は、東方丈助だけど、ザ・ブックの主人公は別だ。その主人公に、その壮絶な生い立ちに感情移入をしてしまうからか、正義の味方であるはずの、丈助や億康が悪者に思える部分もあった。その部分と、丈助と主人公の係わり合い方も、物語の上で重要なのだけど、そのキッカケの部分は、ちょっと安易かなーと思ったり。
後、完璧に主人公に感情移入していた部分があって、それは、『1人で苦しんでいた竜宮レナをスタンド攻撃で、ズタボロにされたような感覚』に似ている。
いや、意味が分からないか。
この気になった交わり部分も物語的には重要な気がするけど、ちょっと気になった。後、余談だが、
能力的に岸辺露伴先生は、もっと物語りの終盤に積極的に噛んで欲しかった。
最後は…
ちょっと気になった部分もあったのですが、それは脳内期待展開があったのと、感情移入の部分からでしょう。
最後の1ページは涙していました。完璧に私の涙腺にヒットした感じですね。私は、漫画のノベライズって読んだ事(多分)なくて、ザ・ブックが(多分)初めてだと思うのですが、良い意味で、漫画であり、小説であり、馴染んでたり、馴染んでなかったりの部分が、良かったです。
この感想を読んでしまった人も、買って、そして、読めば良いと思ふ。
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