デマエストロZ(野本秀幸)はおにぎり少女の笑顔が素晴らしい~ジャンプNEXT!(ネクスト!)2011SUMMER感想⑤
ジャンプNEXT2011夏。野本秀幸先生の『デマエストロZ』です。作者紹介ページの脳内制作風景のイラストが、妙に可愛らしく、そして、綺麗にまとまっておりますね。本編とは違う味があって、このイラストが結構好きです。当然、本編終了後に描かれている訳で、本編よりも、このイラストの方が上手に思えます。
差て。気になったところと良かったところの感想です。
気になったところ 世界観などの表し方
気になったところですが、世界設定や世界観などの表し方の部分ですね。例えば、主人公の師匠であり、世界的な料理人であるウェイン=カチャトラ氏は、猫頭の猫人間だったりしますが、誰も、そこには触れないので、猫人間が普通にいる世界観だという事が分かります。しかし、猫人間はカチャトラ氏以外には、出てきません。
また、街並みや、建物は近代的な感じですが、警察官の格好は割とレトロです。イギリスっぽい???また、悪役の誘拐犯のボスは、謎の仮面女だったりします。
思ったのは、色々と要素が豊富だけど、それらをまとめて世界観を作るには、ちょっと、要素がチグハグだなーという事でした。例えば、猫人間に関しては…
・主人公の桜南華織さん以外は全員猫人間。
・カチャトラ氏は猫の仮面(かぶりもの)をしている人間。
くらいの思い切りがあっても良かったように思えます。猫人間がいる事で、ファンタジーになっていると思うのですが、その割には、現実との乖離も少ないような…そんな印象を受けました。
ブログ村ランキングです!
応援お願いします!
にほんブログ村
↑ジャンプ感想ブログランキングもチェックできます!
スポンサーリンク
良かったところ 絵柄など読みやすさ
作画に関して。物凄く、突き抜けて上手…とは、思いませんが(モブとかはもっと丁寧な方が…)、比較的トーンが少なめ、線も少なめ?、そして、ベタの感じなどが、割と好みでした。
トーンは逆に使い慣れてないのかな?と思う部分もありますが、白と黒で画面が作れているので、画面としては、見易いと思いました。画面が見易いと、読み易さに繋がりますね。
も一つ。料理の中でも、『出前』に着目して、食材を駆使して、誘拐犯の潜伏先に突入する…というストーリーも面白いと思いました。割とベタですが、冒頭で、玉葱の微塵切り、及び、刺激物質に関してお客さんと語らい、それが、突入パートで攻撃手段として用いられるのは(ベタですが)、ちゃんと手順が踏まえられている感じがあります。折角ですから、玉葱以外の食材の効能を使った攻撃も見たかった。大根の辛味成分だとか…。
後、作中で言及されてませんが、食料がなくなって丸二日…という事は、誘拐された少女も食事をしてませんが、誘拐犯も丸二日食べてない…という事になるのでしょうか。衰弱しているのが少女だけなので、誘拐犯は何か食べていたのかも知れませんが、誘拐犯も何も食べてない…と思って読むと、おにぎりを食べている仮面女のシーンは、印象が違ってきます。その部分をもっとフォーカスしたら、話の奥行きが出たんじゃないかなぁ。
そして、無事に食事が届けられた少女、おにぎりを食べている笑顔がなんとも素晴らしい。絵が上手いとか、そんなんじゃあなくて、コマからじわーと広がってくる味わいがあります。なんでしょうね。この感覚。何かがちょっとでも違えば、この感じは出ない気がします。情緒が溢れて素晴らしい一コマだと思いました。
スポンサーリンク
読んで欲しいです!自薦記事。
この記事の前後の記事。
同じカテゴリ内の前後の記事。
そろそろ別のサイトへ→
退出口