チャコの脱獄論(権平ひつじ)は難しい…~ジャンプNEXT!(ネクスト!)2011SUMMER感想⑦
ジャンプネクスト2011夏、その男、破れぬ牢獄この世に無し!!脱獄アクション読切45P!!という事で、権平ひつじ先生の『チャコの脱獄論』です。
実は、NEXTの感想がちょっと分断されてましたが、今作が、ばーっと感想を書くには、読み解きが難しかったからです。読解は出来ていると思うのですが、感想の文章を書くのが難しい…というか。
そんな訳で、気になったところと、良かったところの感想です。
作画や設定や構成など(気になったところ)
作者紹介ページを読むと、漫画歴の欄が『半年くらい』とあるので、あまり、作画に関してツッコムのも、あれかな…と思ったのですが、一応、作画に関して…。受けた印象として、縦と横が直線的な感じを受けました。コマ割や画面の印象ですかね。変形的なコマ割が良いって訳でもないですが、顔の正面、もしくは、横顔の画面が多かったですね。
後、世界観とか設定に関して。警察署の署長さんが読んでいる新聞に『WORLD SLAVE CENTER』と書かれていたり、また、主人公のチャコさんの台詞の中に『悪政、犯罪、貧困、病気…』という言葉があったり、街頭テレビを観る人々の中で「うちもテレビ買えればなァ」という声があったり、社会的な格差や、また、街頭TVがある区域は、貧困街だったりするのではないか?と思ったのですが、その辺りの庶民の描き方がライトだなーと思いました。
『どんな脆弱な光であっても四方の闇を貫く力を持っている』という言葉が一つのキーワードになっている訳ですが、その闇の部分の描き方が、もっと、濃厚であればな…と思いました。
最後に、後半の展開ですが、チャコさんが50回目の脱獄を成功させる→署長のTVでの記者会見という流れになっているのですが、記者会見のシーンで既に脱獄の成功が分かっているので、ちょっと勿体無いと思いました。シーンの並びをやりくりして、記者会見の時には、まだ、脱獄が成功しているかどうか分からなかったら、緊迫感が生まれるのじゃないか?と思いました。
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難しい(良かったところ???)
これが良かったところなのか…というとちょっと微妙なのですが、『難しい』という印象を受けました。先ず、物語の中に悪役がいません。主人公が脱獄の常習犯で、脱獄をするために軽犯罪を繰り返す男なので、敵役は、自動的に警察という事になります。しかし、刑事が投げナイフを使うのはどーなのか?というのもありますが、チャコ氏を追う刑事が悪であるとも思えない訳です。人道的に卑劣な事をする訳でもないですし…。
さらに、主人公が、その刑事の考えを否定もしません。「支持しない」とは行っているのですが、「価値観なんて一人として同じじゃないし」とも行ってます。つまりは、中庸とでも言いましょうか。中庸と一言で書いてますが、これも難しいですね。マンガの中では、勧善懲悪の二元論の方が多くありません?
ここで粗筋を書いてみると、「手術を受ける少年を勇気づけるためにホームランを約束する野球選手」という感じの話で、ホームランの部分が『脱獄』であるという感じです。道端で過ごす、未来の可能性を感じられない少年のために、『脱獄』を約束する…という感じです。つまり、『脱獄できない牢獄はない』という事が、『世の中に不可能はない』というメッセージである…という感じです。
この文章に辿りつくまで、5回くらいは読み返した感じでしょうか。「この世に不可能なことなど一つとしてない」、「乗り越えられない苦難はない」、これが、チャコ氏の言葉ですが、こういうテーマを新人さんの読切で読むとは思わなかったです。こういう部分も、良かったところと言える部分でしょうか。
画力の部分や、構成等々は、まだ発展途上という感じがありますが、マンガの中に伝えたいメッセージがしっかりあると思うので、今後の活躍に期待したい…と思いました。
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