競技ダンス部へようこそ(横田卓馬)は優しい物語である(ジャンプ46号感想extra)
横田卓馬先生の『競技ダンス部へようこそ』の感想は既に書いたのですが、もう一度書きたくなったので、書いてみることにしました。感想…というより、感じたこと、思ったことを書き連ねる…という感じになるのじゃあないかと?
ツイッターを眺めていると、高評価のツイートを沢山見ました。そういうツイートを選択的に見ていた…というのもありますが…。ついつい、リツイートし過ぎる始末…。で、多くの人に良い評価を得たのは、「なんでかな?」と考えてみると、それは…
「物語が優しいからじゃないかな?」
という考えに至りました。先に書いた感想の内容とかぶりますが、悪役が出てこない。競技ダンス部の活動に難癖をつけてくる教師もいなければ、からんでくるDQN(不良)もいない。嫌な先輩もいない。そして、何より、部活の先輩が、みんな、良い先輩…と、書いていて、気がつきましたけど、土屋君と、わたりさんの回想に出てくる人、彼らが異性や恋愛に対しての苦手意識を作りだした人達は、一応、「嫌な奴」ですね。
まぁ、悪役がいないとストーリーは展開しない訳ですが、それでも、悪役は、既に過去の思い出上の存在になっていて、同じ高校にいて、難癖をつけてくるようなこともない訳です。
私が、「優しい」と感じたのは、文化祭の当日に事件は起きる訳ですが、それを含めて、なんというか、「優しい」気持ちで読めるからなんですね。悪役も出なく、体力的にはしんどくても、精神的には楽しい部活の様子。積み重なっていく能力、先輩との関係…なんでしょね、豊かな高校生活を送る高校生を眺めている、そんな気持ちになりました。
そして、文化祭での土屋君とわたりさんのシーン、土屋君の頑張りに感動出来るのは、十分に彼らの感情に共感できる土台が出来ているからじゃあないかと。カッコよくない主人公が、カッコよくなことばで、不器用に頑張っている様子って、とても、カッコよいと思います。好きです。そういうの…。
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もう一つ思ったのは、この読切は、読んだ年齢層によって感じたことが大きく違うのじゃないかな?ということでした。つまり…。
・高校入学前の中学生以下
・現在まさに高校生
・高校を卒業して大学生
・大学も卒業して社会人
・30歳 ←俺ここ
という感じで…。「俺ここ」って書きたかっただけですが…。他の年齢層のことはよく分かりません。「こんな高校生活だったらいいなぁ」というのは、高校生以下でしょうけど、高校を卒業してからの年数が経つほど…「こんな高校生活だったらなぁ」という思いが強くなります。少なくとも、強いです。
リアルが充実した高校生活を送った人が受け取ることは、また、違うでしょうけど…。
私自身の高校時代を振り返ると、部活は1年くらいで辞めましたし、良好な先輩との関係もなかったですし、そもそもディフォルトで、女の人と話すの苦手でしたし…まぁ、それは、今もですけど…。なので、作中のような高校生活には…あこがれますね。あこがれても、もう、取り戻すことは出来ない訳ですが…。
高校生活というのは、多くの人が体験していることなので、共感を得やすいというのもあるのかな。でも、それだと学園モノが全てそうですから、そうではない何かがあるってことでしょうね。オーラとでも言いましょうか。技術とは別次元のパワーは確かに感じました。土屋君の「くわ!」という顔とかに…。絵の巧さとかとは違うパワーです。なんとも、言葉で表現しにくいのですが…。でも、マンガって、そういう部分も大事だと、思います。そんなことも考えさせられました。
そんな訳で、二度も感想を書いてしまうくらいに、好きな読切でした。連載には向いてないな…という気持ちは、まだ、ありますけど、週に1度、こういう優しい気持ちになるのも、悪くないな…と思いました。
良い作品に出合うと、ずっと、そのことを考えてしまう…というのは、時々あるのですが、久し振りに、そんな感じの一週間でしたね。過去にもそういう読切があったと思うので、
ジャンプ部屋を掘り返すのも、いいかも知れないですねぇ。あー高校の時に青春をしたかった…。
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