花のズボラ飯(水沢悦子/久住昌之)2巻を読んで結婚したくなった(感想・ネタバレ注意)
明るい人が明るいのは、その人が明るいからであって、その背景とかは、あまり考えないことが多いのだけど、たった一つの事柄が分かる事で、その人のとらえ方が、逆転する。何気ないことの背景を感じたり、ふとしたことが悲しく思えたり、そういう逆転現象は、実生活でも起こると思うのだけど、そうしたことを、『花のズボラ飯』の2巻で感じました。
正直、旦那さんが単身赴任中で、子どももいないから、お気楽ズボラ生活…という感じで1巻を読んでいたのだけど、その感じ方が2巻を読んで逆転してしまった。彼女がズボラで、部屋を散らかしがちなのは、関係ないかも知れないけど、猫の置物とか、動物を象った調度品等々が「捨てられない物」になっているのは、何かしらの繋がりがあるように思えて、1巻を読んでいる時は、若い夫婦にありがちな「オシャレ小物」くらいの認識だったのだけど、それらのとらえ方も変わってしまった。考えすぎかも知れないけど…。
テーマは孤独
最終的にいきついたのは、「花のズボラ飯」も、底の方にあるテーマは、『孤独』なんじゃないかな、ということでした。『孤独のグルメ』は、主人公が独身男性であり、「1人でご飯を食べる方が好き」な人だから、『孤独』という言葉は、肯定的に使われている気がします。私も、居酒屋とかで複数で食べるのも好きだけど、なんでもない昼ごはんとかは、定食とかを、1人で黙々と食べたい。
話が少し別のマンガにそれたけど、『花のズボラ飯』は、既婚者が感じる『孤独』…と考えると、独身の人が感じる『孤独』とは、レベル、もしくは、質が違うのかも知れないが、結婚しているからこそ、の、孤独もあると思いました。あんまり詳しく書くと、激しくネタバレになるから、詳しくは書けないですが、2巻を読んだ人には、このニュアンスを共感出来るであろうか…。亀山花さんが、駒沢花さんになって、結婚してから何年経っているのか?OL時代風のカットがあるから、4年生大学を卒業して、一度就職されているなら、25、6くらいに結婚されたのかも知れない。もう一つ、大学2年生からの10年間で、彼女の考えは、どのように変わっていったのか?とかを、想像すると、少し、切ない気持ちになりました。
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1巻を読み返したくなった
2巻を読み終わって、1巻を読み返しました。そのニュアンスが1巻の中で、既に、込められているかが気になったからです。悲しさを探すような感じで、多少、ためらわれたのですが、色々と見方が変わってきます。本屋でのパート風景にしても、本棚に「児童書コーナー」があることに、なんらかの意味を感じたり…。ただ、親友のミヅキさんの言葉の中に、「だとしたら心無い発言」とも思える部分があったので、当初から考えられていた設定じゃあなくて、連載の中で付加された設定かも知れない。「亀山」という旧姓も、2巻になって初めて出てきたことです。
設定を考える上で、30歳くらいの女性のズボラ飯というのを実現するために、旦那が単身赴任中…というのが生まれたのだと思います。独身女性が主人公だと、「結婚に向かう」恋愛要素が出てきそうだし、それは選択されなかった感じでしょうか。当初に考えられた設定が、連載化の中で、拡張されたのだとしたら、「花のズボラ飯」にストーリー的な最終回があるなら、それが、幸せなモノじゃあなかったら、やりきれない気持ちになると思います。幸せの解釈は様々で、男の私が簡単に口に出して良い問題じゃあないのかも知れないですが、「幸せになって欲しい」と強く、そう思いました。
大好きな人の元に走っていく気持ち
2巻の最終話において、新幹線に乗るために、街を走り抜けていく姿、特に、背景に無数の猪が走っている(イメージ)の花さんを見て、どういう訳か、涙が出そうになりました。涙腺がゆるんだ時点で、「ヤバい」と思って、マンガを閉じたから、泣いてはいません。これは、2巻を最後まで読んだからこそ、いきついた感情だと思います。
そんな中で、自分の感情や経験を振り返ってみて、「何の疑いもなしに、誰かに会いたいためにダッシュで走ったこと」というのを、ここ何年もしてないことに気がつきました。結果として、失恋に終った恋愛において、デートの待ち合わせ場所に向かう電車の中とかは、近かったように思えるけど、付き合うとか、そんなことになる前だから、「巧くやろう」とか、疑いに近い気持ちがあったように…。
100%前向きな気持ちで走れるのは、恋愛の最終形態の一つ、「結婚」に到達しているからであるなら、「俺も結婚したいな。」と思うのと同時に、まぁ、自分の思考が色々なように、女性の思考も色々と考えると…その先には、現実がまっている訳だけど、それでも、「結婚したいな。」と思いました。
…多分、2巻最終話も、1巻を読んだだけの状態では、とらえ方が違ったと思います。もしも、この感想を読んで、これから2巻を読む人がおられたら、ためしに「2巻の最終話」を最初に読むことをやってみて欲しい…と思ったのですが、この感想を読んだ後じゃあ無理ですね。先入観なしに読むのは。難しいところ。
おすすめです
1巻を読んだ後の感想は『エロい』でした。
初読の感想は「エロい…」でした。『孤独のグルメ』は、母親に「面白いで。」と言って、お勧めしましたが、とてもじゃないですが、お勧めできませんでした。主婦が主人公なので、着替えのシーンやお風呂のシーンとかもあるのですが、そういうのがエロい訳じゃあなくて…
花のズボラ飯(久住昌之/水沢悦子)はエロい(とても)。【マンガ・アニメ】
なので、家族である母親とかに、おすすめ出来なかったのですが、2巻を読んで、考えを改めて、母親に「ためになるから読んだ方が良い」と渡してみました。
…料理漫画的なことを書いてませんでしたが、実際のレシピも参考になりますが、「手の抜き方」とか、「発想の応用」とかが、便利なのじゃあないか?と思いました。同じ調理法で、材料を変えてみるとか…。
3巻が発売されるのは、まだ、1年以上先なのでしょうが…。3巻が、とても、待ち遠しいです。
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