バクマン。(原作/大場つぐみ 漫画/小畑健)連載終了!ラストページ「夢と現実」は第1話と同じサブタイトル!ジャンプ感想2012年21・22号1
はじまりがあれば、終りがあるもので、原作、大場つぐみ先生、漫画、小畑健先生の「バクマン。」が連載終了です。打ち切り…じゃあなくて、計画的円満終了なのでしょう。サイコーの夢、亜豆さんとの結婚以外にも、漫画家群像劇としての面白さがあったので、結婚してからの第二部もありえる…と思ったのですが、その選択はされなかったみたいです。それで良かったのじゃあないかと思います。
そんな訳で、最終話の感想と、連載を通しての感想です。
ラストページ「夢と現実」
ちょっと前から「
ジャンプ感想まとめ」で、「バクマン。」の感想をまとめてました。その関係で、7巻分くらいまでは、読み返していたのですけど、その関係で、連載初回、1ページ目も読んでました。だから、今回のサブタイトルが第1話と同じことは、すぐに気付いたのですが…第1話では、なんとなく生きている現実と、「漫画家になって好きな子と結婚する」という夢だったのに対して、今回は、「夢を実現させた現実」なのだな…と思うと味わい深いです。良い。
バクマン。の中で、ストーリーを作る方法として、「今までの話を読み返して伏線ぽいもの」を拾い集める…というのがありましたが、今回の、フェラーリ、外車、右側…というのも、そんな感じなのかな…と思いました。フェラーリを見た時は、サイコーの事を心の中でディスったのですが、そのストーリー的な意味合いを味わうなかで、そのディスは、おさまりました。
10年という時間の経過、当時の様子、連載の初回を交えながらのプロポーズは、本当に良かったです。平丸先生のプロポーズもそんな感じでしたが、女性の方も相手の気持ちを汲んで、ちょっと助けてあげる…という部分が、じーんときます。10年間、ほとんど会うことなく、励ましあった二人は…現代社会と照らし合わせると、稀有な存在のように思えますが、婚前交渉が、当たり前になっている現代(江戸時代とかもそうだったと思うけど)、清い交際…というのも良いのじゃないか?と思いました。
非常に、後引くラスト。後日談の一本でも読みたい気持ちになりましたが…。20巻で描き下ろし…とか、ないわなぁ。ストーリーは、絶対、どこかで切れて終る訳で、最後の瞬間が、このシーン、このセリフになったのは…まさに、ここがクライマックスなのだな…と思いました。
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連載を通しての感想
感想まとめを書いていて、自分の感想とか、本編を読み返して気付いたのですが…割と「アンチ・バクマン。」の人がいる理由が分かりました。ジャンプ感想を読み歩いていると、「嫌い」が前提で書かれている感想、ディス成分も読み取れて、その時は、「そうかねぇ。」と思って読んでたのですが…。まだ、7巻分までしか読み返してないのですが、かなり初期から、「萌え絵」とか、「最近の少女漫画の過激描写」とかへのディス的な内容がありました。石沢さんは、その象徴…という感じですね。成人後の再登場した姿は、キツかった。。。
他にも、最初の方で、シュージンの亜豆さんに対する女性考察とかで、インターネット的に物議を醸していたりするのですが、その辺りも関係しているかも。
私は、その辺りにセンシティブにはならなかったのですが、多分、現在進行形で、「萌え絵」とか「萌えカルチャー」が好きな人は、マンガの中で、それを否定されることは、自分を否定されている…につながるのじゃないか?と。根がそこにあると、色んなことが、批判的にうつるのじゃないかな?とか。
かく言う私も、最初の方を読み返していて、作中人物の思考の偏りは、多少気になりました。岩瀬さんへの評とか、結構、キツい。しかしながら、その思考の偏りも、主人公やキャラクターを表現する…という枠組みで考えると、そこに反感を覚えるとかも、術中に落ちているような気になりました。
差て。多分、どの時点でサイコーと亜豆さんが結婚するかは、人気次第での可変要素だったと思うのですが、最短では高校卒業時…くらいで考えられていたのじゃないか?と思いました。そして、作中での10年で決着したのだと思いますが、その中での漫画家群像劇と言える側面が出てきました。多分、メインヒロインの恋愛よりも、平丸先生と、蒼樹先生の恋愛の方がwktkした人は多いのじゃないかな。サイコー達が出来ない恋愛要素を一手に引き受けていた…というか。かなり熱かった。
「賛歌」じゃあなくて、「群像劇」だと思ったのは、全ての人が幸せになれた…という訳じゃない部分ですね。中井さんが、ダメになっていく様は、凄まじいモノがありました。最終的に、面白いポジションに落ち着いた訳ですが、例えば、七峰透さんとかは、邪悪なまま舞台から去っていった…ような。先週の近況ラッシュで、彼は、出てこなかったし…。彼の話は、全体の中では、「意図的にストーリーの盛り上げを新連載にぶつける」など、週刊マンガ連載の「えぐい」部分も担っていただけに、消息不明なのは、ちょっと、可哀想にも思えます。もう父親の会社で働いているのかな。
「リバーシ」を終了させる中で、サイコーとシュージンなら、また新しい面白いマンガを創れる…という下りがあったと思うのですが、それを「バクマン。」と重ねてみると…また、大場先生、小畑先生の面白いマンガを…という気持ちになりました。約4年間の連載、お疲れ様でした。次回作に期待しております!!
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バクマン。の感想まとめを最近始めてましたが…バクマン。という作品に出会ってから、感想のあり方も変わっていったように思えます。マンガを読む観点が増えた感じですね。全20巻とのことなので、全巻分の感想をまとめようと思います(そのうち)。
第一話を読んで、非常に上手いなと思ったのは、男二人のコンビ漫画家の話で、ともすればストイックな展開にもなりがちな所に、上手くヒロイン(しかも痛い子ぽい)を絡ませて来た所だと思う。漫画家サクセスストーリーの皮を被ったラブコメですね。分かります。
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結果としては、恋愛要素もあるマンガ家サクセスストーリー…という感じでしたが、最終回は、かなり贅沢なラブストーリーだったと思いました。10年という作中の時間経過があるからこそ…だと思いました。
単行本は全20巻。安心院さんに言わせると、10巻もオーバーしているという…感じですが、連休の時とかに一気読みするには…良い感じのようにも思えます。
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