ゴブリンナイト(屋宜知宏)はテーマが良い&面白い(第8回金未来杯エントリー№1)ジャンプ感想2012年35号1-1
ゴブリンナイト(屋宜知宏)
魂焦がす灼熱バトルアクションセンターカラー読切47ページ!!ということで、第8回金未来杯エントリー№1。屋宜知宏の『ゴブリンナイト』の感想です。気になったところ、良かったところ、記事最後には、関連記事の構成でお送りいたします。
気になったところ(作画・画面・説明)
画力が…というよりは、ベタや線の感じをみると、仕上げの時間が足りなかった…という感じがう伺えました(たぶん)。主人公の牛火鎮さんのゴブリン化後の姿、牛頭鬼は、ベタ主体のデザインなので、仕上げの部分等々で、損をしている感じがあるな、とも。荒々しさが味が出ているとも思えますが、デザイン的な難しさも感じました。
次に画面に関して。ラスト付近のクレーンを倒す部分は、非常にダイナミックですごい!と思ったのですが、パッとみて、それが鉄塔なのか、クレーンなのか?起きている状況が分かり難かったです。戦闘も、どんな攻撃を、どんな風に防いでとか…。後、敵役の能力は、散弾銃がモチーフになっているのは、流れで分かるのですが、能力の発動の一連が断片でしか分からない感じがしました。その辺りは、大事な部分。
後、能力や現象の説明が言葉に頼り過ぎている…と思いました。例えば、「冷えて硬化した牛頭鬼の甲殻」というのは、文章では理解できますけど、絵的には分からなくて、さらに牛頭鬼の炎には特殊な成分が含まれているのか?など、よく分からないところがあるのですが…何にしろ、焼けた後は、変質する…というのが、絵で分からないと、難しいと思いました。
良かったところ(テーマ・少年と少女(ジュブナイル?))
などと、わーわーとツッコミを入れましたが、テーマ性の部分が、非常に良かったです。ある日突然の世界の変異。人間の怪物化…などは、よくあると言えば、よくある設定だと思うのですが、そこにまつわる心の部分などが、良かったです。
先ず、少年誌的には、子どもの死を描くのは…必ずしも絶賛される表現じゃあないと、思いますが、主人公の行動原理や動機、心にかかえているモノや、敵役への憎しみ…というのが、充分過ぎるほど分かりました。現在の連載陣でも、あんな命の奪い方をするのは…ハンター×ハンターくらいじゃないかな…。
続いて、私がテーマ的なモノとして感じたのは、牛頭鬼の発火能力が、発現しすぎると、本人の身を焼く…という部分でした。憎しみの感情が増幅しすぎると、悲惨な結果につながるというのは、それこそインターネットの「炎上」という現象に似ていると思いました。主人公が、正義の心で、力を行使している訳じゃないというのも、私の好みです。ゴブリン化しているとは言え、結果、救われる人がいるとは言え、同じ境遇の人間を殺している…という咎はあるのでは?と思いました。作中で、咎に関しては、言及されてませんが…。
その憎しみを、ヒロインの十五夜雪さんとの会話の中で、憎しみの分析と分解がされ、そして、作品タイトルの意味するところ、ナイトとナイトに繋がっていく3ページは、非常に読ませるモノがありました。
調べてみると、誤用みたいなのですが、ジュブナイル的、少年と少女の成長、この場合は、少年が少女により導かれ、互いの能力で補間しあうような関係性は…非常に、私の好みでありました。ラストの演出の部分は、もう一捻りあっても良いかも?と思いましたが、私は、非常に萌えました。「萌え」と「燃え」がかかっているとか、あーだこーだ言う訳じゃあなく…。
その他感じたことなどは、一言感想に書こうと思います。
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