ウルトラシリーズ名作選1 ウルトラマンタロウ11話 「血を吸う花は少女の精」(乱れ蝙蝠からの寄稿。)
はじめに。
今回も、乱れ蝙蝠(ハンドルネーム)からの寄稿であります。
こちらのDVDに収録されている内容のもようです。
ウルトラシリーズ名作選1 ウルトラマンタロウ11話 「血を吸う花は少女の精」
「いや、憎んでたんじゃないのかな。自分を捨てたお母さんをさ。いや、お母さんにそうさせた世の中をといった方がいいかもしれない。」
ここではウルトラマンシリーズフリークの私が個人的に好きな話を紹介していきます。あえて、シリーズや話数は飛び越えて紹介していきます。
今回はウルトラマンタロウ11話
「血を吸う花は少女の精」
明るく破天荒な雰囲気が魅力のウルトラマンタロウの中で、例外と言える程、重いテーマを背負った話。また、タイトルからわかる通りかなりホラーな話です。今見てもなかなか怖い。特に怪獣バサラの最期はトラウマ物である。
親に捨てられて死んでいった乳児や幼児を土葬し供養していたと言われる「捨て子塚」、その近辺で通行人が全身の血を吸い取られて殺される事件が続発。防衛チームのZATは警察に協力して事件の調査に乗り出す。そこで、東光太郎(=ウルトラマンタロウ)は母親に捨てられて施設に預けられ、今は里親の家に引き取られた少女、かなえと出会う。かなえは、なぜか赤い花と、植木用の剪定ばさみを常に持ち歩きチョキチョキ鳴らしている。里親は、世間体の為だけにかなえを引き取ったのであり、愛情を抱いてる訳ではない。かなえも里親に心を開いていない。
光太郎が居候している白鳥家の息子、健一はかなえから赤い花を貰う。実はその花は「捨て子塚」の周りを包む蔦に生えている花だった・・。
その真夜中、捨て子塚から蔦がのび、白鳥家に飾ってあった花と合体すると健一と宿泊していたZATの森山隊員を襲う。
「オギャーオギャー」
と乳児が喜んでいるような声を出し、不気味に赤く光りながら二人を襲う花。めちゃくちゃ怖いシーンです。
しかし、通りかかった男たちが道に伸びていた蔦を引きちぎった事で、二人は助かった。花弁からは、今まで吸ってきた人間の生き血がポタポタ垂れる。
翌朝、かなえが花を持ち帰っていた為に、かなえの養母も蔦に襲われ、耳の穴から血を吸い取られ殺される。それを窓からじっと見ているかなえ・・・。 ZATは、この花が連続吸血事件の犯人と断定し、光太郎はかなえがこの花を持っていた事を思い出しかなえを探す。かなえは、道行く親子に赤い花を配り歩いていた。自分を捨てた母親、世間に憎しみを抱いていたかなえは、幸せそうな親子に嫉妬して皆殺しにしようとしていたのだ・・。光太郎は花を取り上げ、この花をどこで見つけたか、かなえを問い質す。しかし、かなえは頑として答えようとしない。しかし、北島隊員が花を捨て子塚で見た事を思い出し、ZATは捨て子塚の花を駆除しようとする。しかし、地下から蔦怪獣バサラが現れた。蔦はこの怪獣の体毛だったのだ。乳児が泣き叫ぶような声をだし、暴れ回るバサラ。光太郎はウルトラマンタロウに変身。人間を襲った時のように、蔦をからませ電気ショックを浴びせるバサラの戦法に苦しむタロウだが、
最後はストリウム光線で倒した。
かなえはまた一人、施設に戻った。そして今日もハサミを鳴らしながら、あの赤い花を探して墓場を徘徊するのだった・・・・。
「捨て子」をテーマにした重い話。「赤ちゃんポスト」等が問題になった今でも充分通じる話だ。タロウは怪獣バサラは倒したが、少女の心の闇までも消す事は出来なかった。幼い少女にも、憎しみの心や殺意は芽生えるという事を描いており、なかなか容赦しない話だ。また、登場人物の会話の中で、
「子を捨てた母親だけが悪い訳じゃない」
という事も語られており、考えさせられる。
また、かなえを演じた子役の少女の演技も素晴らしい。劇中、ほとんど台詞は無く容貌も喋り方もあどけないが目つきが鋭く、物言えぬ憎しみを抱いている少女を見事に演じている。特に花の場所を問い質す光太郎を無言で睨むシーンはゾッとした。
怪獣バサラも、赤ん坊のような声で泣いたり、全身に蔦を絡ませていたり、かなり怖い怪獣。
「土葬された乳児の死体を栄養として成長した。」
「人間一人の生き血を吸いつくす度に、全身に赤い花が一つ咲く」
と設定もホラー。
しかし、
なんといってもその最期が恐ろしい。
ストリウム光線で爆死するが、捨て子の怨念によってか、不気味な赤い花をバックに一時的に復活。七色にうごめきながら、「捨て子塚」を有する寺院を炎に包む。
その直後、自らも炎に包まれ消滅する。この間、BGMはなんと読経である。
かなりのインパクトがあるシーン。完全にバサラは捨て子の怨念の化身といえる妖怪的な怪獣だろう。捨て子塚の蔦を駆除しようとしていた光太郎をかなえが罵ったりと、タイトルに暗示されている通り、バサラはかなえの憎しみの代弁者とも言える。
少女にも殺意は生まれ、そして少女に殺意を抱かせる社会・・。見た後、重いもの悲しい気持ちになる。
ウルトラマンタロウは「母子愛」が一つのテーマで怪獣の母子が多数登場したりと、人間や怪獣の区別無く 様々な母子愛が書かれた。しかし、世の中にはもちろん断絶された親子愛もある。憎しみに変わった親子愛もある。それを書いた意味では、この話はタロウには無くてはならない作品だったろう。臆する事無く、この作品を作ったスタッフに敬意を表します。
・・次回はもっと明るい作品を紹介します・・。
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乱れ蝙蝠です。
最近、仕事前の昼間にコンビニに行く事が多いですが、髭が生えてて、どてらにジャージ姿で行くので
「こいつ引きこもり? 」と思われてるんじゃないか?
と思ってしまう。
「違うんです!僕の仕事は遅番だからこれからなんです!髭もこれから剃るんです!」
ブックカバーの存在意義がわからん、という私の個人的意見(乱れ蝙蝠からの寄稿)
おわりに。
正直なところ、私はウルトラシリーズに明るくないので、この寄稿にはスゴク意味があるのですが…。
なんだか、私の中の『ウルトラマン』感には、なかったストーリーでした。『読経』が、気になるところです。
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