サルチネス1巻(古谷実)感想ネタバレ注意・乱れ蝙蝠の365書5。
はじめに。
今回も、友人の乱れ蝙蝠からの寄稿です。
こちらの作品に関する感想です。寄稿された本文に一ヶ所だけ修正を加えてお送りいたします。
乱れ蝙蝠の365書5 「サルチネス」1 古谷実 講談社
「世界一・・・・・・いや宇宙一・・・・愛ちゃんの幸せを願っているこのオレが・・・・現時点で宇宙一・・・・愛ちゃんを不幸にしているというのか!?」
古谷実さんの最新作。今までの作品は常識人の主人公が変人に振り回される話が多かったですが、今回は主人公自身がぶっ飛んだ奴です。
自分の人生に絶対の自信を持っていて、高校生の頃から引きこもっている主人公。ただしある日、祖父から
「お前が自立しないと愛ちゃん(主人公の妹)が安心して結婚出来ない」
と言われて愕然とし、いきなりある日無一文で
「化け物殺す旅に出る さがしたら殺す」
と意味不明な書き置きを残して東京に行き(東京で自立して妹を安心させるため)、孤独に耐え切れなくなったホームレスや、苦学生を巻き込んで騒動を巻き起こすという(今のところは)そういうストーリーです。
主人公は傲慢で変人で、意味不明な理屈と脅迫で相手を従わせる嫌な奴ですが、妹を溺愛していて全ての行為が妹を安心させる為故というせいか、いまいち憎めない。律儀だったり犯罪を嫌がる部分もあるし。また同じく登場したホームレスと学生があんま自主性が無いというか自己主張しない人間なので逆にこの主人公の存在感が凄い。何故二人は主人公におとなしくペンで全身ブツブツだらけにされてるんだよ。気持ち悪いわ。ドラゴンヘッドのノブオみたいだわ。
この巻だけだとコメディーになるのかシリアスになるのかよくわからないですね。また快楽殺人犯が出てくるみたいなストーリーにはならないだろうけど。快楽殺人犯より主人公の方がインパクト強いし。この巻だけだとめちゃくちゃ笑えましたが・・。
「髪の毛が抜け落ち鼻が超ふくらんで大型犬のウンチがゲリラ豪雨のように降ってきたとしてもオレは平気だ」
「一機がオーストラリア大陸ぐらいある無数の未確認飛行物体がある日突然地球に襲来し・・・・あらゆる交渉をした結果・・・・どうやらオレがケン玉のココ(底の部分)に一発でキメないと地球がコッパみじんにされる状況に追い込まれたとしてもオレは余裕でできる」
みたいな主人公の意味不明な自慢が笑える。どういう状況なんだよwwwケン玉して宇宙人に何の得があるんだよwwwと真面目に突っ込むのも野暮だが・・。こういうシュールで意味不明な例え話とかは古谷さんの真骨頂ですね。
また理不尽な脅迫で相手を従わせますがその脅迫が
「この石(かなりでかい石)をお前のア(ry ※ナカノ実験室による略。
なのには噴いた。気に入って日常生活でちょっと使ってみたがひかれました。そりゃそうか。でも本当にやろうとしてるしなあ。恐ろしいやつだわ。
うーん、この巻だけだとドタバタコメディーになるのか切ない話になるのかホラーになるのか鬱ストーリーになるのかわからないなあ。
でも、強引な理屈で相手を従わせる主人公が、北九州やこないだの尼崎の監禁事件を思わせると感想を書いている人をネットで見つけて、ちょっと不穏な気配が・・。まあ、そんな事ないと思うけどなあ。
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おわりに。
古谷実先生のコミックスは、私も何作か読んでおりますが、こちらは知らない作品でした。ちょっとデジャビュー感のある内容ぽいですが、近年の古谷先生の作風なのかな?と思いました。
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