ビブリア古書堂の事件手帖第最終話ドラマ感想&あらすじ・江戸川乱歩の世界はアニメがない時代にはさぞかし夢のある魅力的な世界だっただろう。栞子(剛力彩芽)が終始本気モード。母と子の結論とは。
※この記事は友人の、かづちやえから寄稿されたドラマ感想です。はじめのはじめに。感想の中に役名と俳優名をセットで起債していますが、今回はどう説明してよいのやら、役名と俳優名が入れ替わってしまいました。乱歩の世界ですね。
前回の
関係図で復習してください。
はじめに。
今回の依頼人来城慶子は妹・邦代と入れ替わっていました。つまり車いすに乗った慶子と称する女(松山美由紀)は実は妹の邦代であり、妹・邦代のふりをしていたのが本物の鹿山の愛人慶子(高樹澪)でした。
そして、栞子の母・智恵子(安田成美)は金庫の中身は江戸川乱歩の『押絵と旅する男』の幻の第1稿だと言う。智恵子はその第1稿を狙っていた。
江戸川乱歩『押絵と旅する男』
『押絵と旅する男』には乱歩が関西を旅行中に書いた第1稿があった。そして乱歩は第1稿を名古屋の作家組合の会合に持参するも、自身が無くトイレに破り捨てた。乱歩自身がそう書き残しています。
押絵とは、布で立体感を出して絵にする布細工の一種です。『押絵と旅する男』の主人公・私は汽車で押絵を窓ガラスに立てかけて旅する老紳士に出会う。老紳士はその押絵にまつわる話を、男に語ります。明治の中頃、老紳士の兄は展望台から遠眼鏡の先に写る美しい女性に恋い焦がれていた。二人はその女性を探し出すが、その女性は「のぞきからくり」に押絵で描かれた八百屋お七でした。明治・大正時代の「のぞきからくり」は20個もののぞき穴から畳一枚ほどもある絵に細かい押絵を施した合成なものが現れるようになったそうです。老紳士の兄は押絵の美女に恋をしていたのでした。どうしても諦めきれない兄は遠眼鏡を逆さまにして自分を覗いてくれと頼む。逆さにして覗くと、兄は吸い込まれる様に小さくなり、押絵の中の娘の隣に仲睦まじそうに座っていた。老紳士はからくり屋より押絵を譲り受け、こうして旅をしていると言う。
『押絵と旅する女』。
鹿山明(須永慶)は愛人・慶子に最期のプレゼントを残していた。鹿山家には先代より乱歩の『押絵と旅する男』の第1稿の一部が受け継がれており、その一部に小説を書き加えることで『押絵と旅する女』を書き上げていたのだ。そして、それを金庫に入れ暗号の解読という工程まで用意していた。
そこに慶子は「(姉妹の)入れ替わり」まで行い乱歩の世界を楽しんだのだ。慶子は鹿山の小説を持って旅に出るつもりだったのだが、もう少しのところで栞子に気づかれてしまった。しかし栞子は原稿を取り戻すことなく慶子を送り出した。
初めから全てに気づいていた智恵子は慶子に旅を楽しむ時間を与え、その後追いかけて原稿を取り戻すと言う。それを聞いた栞子は少し気持ちが揺れた。欲しい物を手に入れる為には手段を選ばない智恵子・母の冷徹なイメージが揺らいだのだ。
母と娘。
母が家族を置いて去った理由、それは「どうしても探し出したい本があったから」で「後悔はしていない」と言う。
智恵子「あなたたちは大丈夫。だって私の子だもの。」
栞子「その生き方が今なら少しだけ理解できるような気がします。」
こう受け応えを行った親子。智恵子の言葉を無責任と受け取るか信頼と受け取るか、それはひとそれぞれだろうなぁと思いました。私は責任感が無駄に強い方なので、親がそんなにわがままでいいのか?!と先ず思いましたが、親の背を見て子は育つと申しますし、家族に縛られず夢を追い続ける親も素敵なのかもしれない、とも思いました。子供はつらいだろうなぁという意見は最後まで残りましたが(笑)
智恵子は慶子から原稿を取り戻したら、本を探す為に海外に発つと言う。そして、栞子についてこないかと問う。智恵子役の安田成美さんの演技から「今更言えた義理じゃない」と言うような戸惑いと、「親として娘と一緒に旅立ちたい」という願いが感じられたことがとても素敵だった。
ビブリア古書堂。
翌朝、ビブリア古書堂へ出勤する五浦。店内に入ると机の上にはコーヒーと本が一冊。栞子は母・智恵子を追っていったのだと落ち込む五浦。
栞子「おはようございます。」
勿論、栞子は追っていく事はありませんでした。
そして結局最後まで五浦(AKIRA)は本を読むことはできませんでしたが、でもそれで良かったのかもしれません。
栞子「長くなりますよ。それでも良ければお話します。」
そう言って『押絵と旅する男』を栞子は五浦に語って聞かせます。第1話に登場した、本好きであった五浦の祖母の遺言がフィードバックしました。
祖母「そうだ、ほんの好きな娘と結婚したらいいんだよ。お前が本を読めなくてもその娘に話して聞かせてもらったらいいんだよ。」
めでたしめでたし。
あ、栞子の弟・文也(ジェシー)と第2話で登場した女子高生小菅奈緒(水野絵梨奈)の恋フラグはどこ行ったんだ(―_―)!!
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回収されなかった恋愛フラグは、小説版では回収されていたりするのでしょうか?最終回が母子の話になることは、記事を読んでいて想像していたのですが、その辺りは原作からのアレンジなのでは?と思えたのですが、原作も読んでいない私…。
『ビブリア古書堂』のドラマ感想の寄稿も今回で終了ですが…月9はまたやってくる訳ですが…??また、インターネットでお会いしましょう。
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