クロス・マネジの打ち切り考察(ネタバレ注意)ストーリーの目標と展開と組立て等に関して。
はじめに。
コミックスの巻数が20を越えることが珍しくない昨今。10巻代で終了しても、以内で終了しても「打ち切り」という言葉がついてくる時代になりました。
先日、終了したクロス・マネジは全5巻で、本誌連載では描かれなかった部分や、続いていく感などから考えると全10巻くらいのボリュームを感じます。
しかしながら、最近第1話から読み返してみて「打ち切り」と一括りにするには惜しい、そういうのとは関係なく「名作」と思えたので、この記事を書いてみます。仮に「打ち切り」だとしても、良い読後感と余韻、彼らのその後が気になる…というのは、名作のように思えます。



記事後半から、物語全体を考えてみます。NEXT!での特別編以外の全てを読んだ身で書きますので、ネタバレ注意でお願いします。
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ストーリーの目標。
スポーツマンガと言うと「全国大会優勝」など、「勝つ」目標が据えられる事が多いと思います。今作においても登場人物達の目標は、もちろん「勝つ」ことでしたが、物語の目標は違う部分にあるように思えました。
ヒロインの豊口さんは「下手でも楽しい」からの脱却で、それは描かれた内容の中でで「蝶蘭に勝つ」という意味では達成されてませんが、気持ちの上では達成されたと思います。そして、主人公の櫻井君は、サッカーでの挫折からの立ち直りがテーマだったと思うのですが、それが達成されて最終回だったと思います。
これらの「目標」が上手いと思ったのは、仮に5巻よりも継続したとしても、もしくは全3巻であったとしても、話数的に到達できたのじゃないかな?と思えます。
展開と組立て。
シリーズを振り返ってみると、豊口さん達が1年生の秋から始まって、実質的には2年時の春大会で、夏を飛ばして、2年の秋で終了しています。その中で、物語の展開を振り返ってみると。
1.櫻井君がマネージャーとなる。新入部員獲得。
2.蝶蘭との練習試合。
3.リーグ戦までの強化期間。各部員が描かれる。
4.リーグ戦後。さらにチーム強化。
5.トーナメント。蝶蘭との対決。
という感じでしょうか。読み返してみると、かなり初期の頃に掲載位置が下がってましたので(悲しい)、かなり熾烈なデットヒートがあったのだと思われます。
終盤のイメージの強い千原和峯さんですが、第4話の時点で登場しているので、かなり初期からクライマックスがVS蝶蘭であることが予感させられていたと思います。
膨らませる部分、省略する部分。
おそらくですが、想定されていて描かれてなかった部分はあるのじゃないかな?と思えます。女子部員全員に「○○回」という感じの話があるか?と言えば、深く掘り下げられてない人もいます。連載が続けば、九時寺さんが無口な理由とかも分かったかも知れません(一部、出ていますが)。
省略で一番印象的なのは蝶蘭との対決が2回戦である部分でしょうか。それが当初からの予定だったのか変更がされたのかは分からないですが、「蝶蘭と対決する」ことが目的であれば、2回戦であれ、決勝であれ、あまり関係のないように思えます。
前日譚の描き方。
一番、印象的だったのが中原龍蔵氏の描き方でしょうか。初登場時には、以下のように感想を書いていました。
登場一発目から辛辣で、なんらかのフォローがないと、ポっと出で、すごく嫌な人…という印象がついてしまう気がするのですが…。
中原龍蔵ェ…クロス・マネジ第14話「龍兄ちゃん」才能と努力と…ネタバレ注意!ジャンプ感想03号2013年5-2
まー、かなり嫌なキャラだな…と。なぜ、初対面の櫻井君に嫌な絡み方をするのか?という部分は、物語の終盤に明かされ、それは初期に否定された事柄の掘起しでした。以下のように書いてました。
第1話の裏側的部分というか、第1話と2話の間というか、語られてなかった部分…。
面白い!クロス・マネジ第39話「勝つってこと」裏第1話的な、上手くなる、楽しむ…ネタバレ注意!ジャンプ感想31号2013年3-2
この回を読んだ時に、「そもそも全5巻くらいを想定されていたのじゃないか?」と思えました。第1話と第2話の間の話を39話で出すってのは、いぶし銀だと思えた訳です。
描かれてない部分。
読んでいた「何かありそう」と思えたけど、深くは語られない部分がありました。例えば、文目川高校のエースの選手が独りで他の選手を背負っているのは何故だったのか?
もしくは、蝶蘭のコーチは(多分、似ているので)照樹さんの姉だと思われますが、その話題は深くは描かれませんでした。設定的には何かありそうだけど、触れられない部分というのも印象的でした。
それも、先に設定がされているからかな…と思いました。
最終話と第1話。
コミックスを持ってない、当時のジャンプもなかったら、読み直すのは難しいですが、ジャンプを残している私は、さくさくと読み返しております。
そして、第1話を読んでみると、最終話で印象的に登場している「あの食べ物」に関することがらが、物語の冒頭に出ていました。これほど、同時進行でコミックスを買ってないことが悔やまれたこともなかったのですが、「上手いな…」と思いました。
これらのことを書いてみて。振り返ってみて。一つの物語として完了して、テーマも描ききった作品を「打ち切り」という一括りにしてしまうのは、どうかな?と、やはり思いました。
全5巻、短編の名編…とでも言いましょうか。登場人物達の物語は、これからも続いていく感じはありますが、ジャンプNEXT2013秋において、全てが描かれるのじゃないか?と思えます。
5巻が発売されたら、5セットくらい購入して、お歳暮で贈りたい…そんな気持ちにさえ、なったのでした。この記事を書いた時点で、20話くらいまで読み返したので、続きを読もうと思います。
また、お会いしましょう。
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余談・おわりに。
主人公達とライバル的存在…と考えてみると、その関係性の描き方はハイキュー!!が近いようにも思えます。もしも、3巻で打ち切り…みたいなことになっていたら、音駒との最初の対決がクライマックスだったのじゃないかな?と思えました。
もしも、この記事を読まれて、「買おう!」と思われた方がおられましたら、冒頭のコミックス表紙画像が、アマゾンへのリンクですので、アマゾンで購入されるのも良いかも知れません。明日は日曜日なので、本屋さんに行くのも良いのじゃないでしょうか。
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