風光る7・8・9/34巻未完(渡辺多恵子)人から感謝される為に命をかけるのではなく、自分が誠と信じたものを貫く為に命をかけるのが武士。だからきっと戦争が起こるんじゃないかって感じるのは私が女だから?現代人だから?
※この記事は友人の、かづちやえから寄稿されたマンガ感想です。
好きなキャラ。
1位 土方歳三
連続の第1位。総司の過去編に登場する土方は、新撰組の鬼副長と言われる姿とは全く異なるように描かれている。いじめっ子気質(ドS気質)は昔からのようですが、それに若さと愛嬌が加わることで人当りのいい、愛されキャラになっています。根本は変わらず、年齢を経たのだろうという印象はあるものの、もうちょっと万人に愛される生き方があったのではないかと見てとれるところから、組長の為に自ら鬼になる生き方を選びその生き方を貫き通している様を感じる事ができかなり見直しました。それにしても渡辺多恵子さんの描くドSキャラは本当にツボです。
2位 明里
亡き清三郎の兄の元恋人で、現在は島原で働く遊女。清三郎の事情を知り、清三郎がお馬(女の子)の日には居続けすることでかくまっている。今回、新撰組副長山南と出会ってしまい恋に落ちる。恋が故に(信頼できると思ってではあるが)山南に清三郎の秘密を打ち明けてしまう明里は「女」だなぁと思いました。「うちら二人とも、悪い大人でええやないどすか・・・?」と全ての現実の上で恋に向き合う明里の姿に逞しさを感じました。
好きなエピソード。
新撰組では隊の編成変えが行われ、清三郎は沖田の1番隊から外されてしまい、体の弱い山南の看護をする為小姓となります。(勿論、清三郎に危険がないようにと配慮した山南の目論みなのですが。)落ち込む清三郎を我が慰めようと、元1番隊の仲間が決闘をして勝った者が清三郎を自分のものにすると言いだしました。(本人の意思とかそういう時代じゃないんですね。)それを聞きつけた三番隊組長斎藤一も勿論参加し、勿論斎藤が圧勝してしまいます。結構本気の斎藤さんですが、困っている自分を助けてくれただけと信じ込んでいる清三郎。どうなるのかなぁと思っていると、遅れて決闘の事を知った沖田が駆けつけます。
好きな理由。
清三郎は駆けつけてくれた沖田が本気で自分の事を取り戻しにきてくれたと勘違いし一喜一憂しているところが、もどかしくて面白いです。でも、本当に沖田さんが一生懸命清三郎の為にする事って可愛らしくてきゅんとしてしまうんです。
おすすめ理由。
池田屋の事件以来、民衆に怖がられる壬生浪士(新撰組)。尊攘派の企む業火より民衆を守ったと誇りに思う清三郎だが、民衆は勤皇の志士を多勢に無勢で殺した「人斬り」として新撰組を忌み嫌うようになっていた。清三郎は民衆に「ありがとう」と言われるために刀を振るうのか、はたまた自分の誠の為に刀を振るうのか。
自分の誠の為に…という考え方は自己評価に依っていて、自己肯定・自己満足に置ける処が大きいように感じてしまうのは、恐らく私が女性であり現代人であるからではないかと思う。人を殺してはいけない世に置いて違う価値観が生まれたのだと思うのですが、では今の世において、自分の信じる誠とは一体どこにいってしまったのかと思う部分もあります。反して、「知らぬ存ぜぬ」を通す民衆の姿は現代と共通していると感じる。「京ことば」は「あたりは優しいが本音は何を考えているのか知れん」と言われるシーンがあります。それは京都の人の人格ではなく土地の風習を表すものだという見方を、この漫画で初めて知りました。土着の武士が少ないため、地元の民衆は知らぬ存ぜぬを通すことが生きていくうえで必要なものだったようです。
禁門の変(蛤御門の変)では長州藩が京都で繰り広げた市街戦であるが、大砲なども使用していたとあり、市街が戦火に包まれました。作中では撤退の際に屋敷に火をかけたとの記述になっており、どちらが正しいのかはわかりませんが、歴史というのは最後まで答えがないので様々な見方ができて面白いのかもしれないと思いました。
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風光る4・5・6/34巻未完(渡辺多恵子)感想・現代に不足しているのは自分の選択に命を賭す覚悟かもしれない。
感想の感想(ナカノ実験室)
改めて、自分の幕末知識が「るろうに剣心」と「銀魂」で出来ていて、しかも詳しくないということを思い知らされる新年。小学校、中学校の歴史の授業ではラストの方で駆け足だったような…あけましておめでとうございます。
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