デート~恋とはどんなものかしら2話感想&あらすじネタバレ注意・高等遊民(ニート)の谷口巧(長谷川博巳)がフラッシュモブプロポーズ?!理系女子・藪下依子(杏)が…。
デート~恋とはどんなものかしら~第2話感想&あらすじ
※この記事は友人の、かづちやえから寄稿されたドラマ感想です。高等遊民(ニート)の谷口巧(長谷川博巳)がフラッシュモブプロポーズ?!「父がまた泣くから」無表情無感動の理系女子こと藪下依子(杏)が垣間見せる人情に注目!
高等遊民とは、明治時代から昭和初期に使用されていた言葉で、高等教育を修めたにも関わらず経済的に不自由がないため働かず、読書などをして過ごす人のことです。夏目漱石の『それから』の長井代助や『こころ』の先生が高等遊民でした。
ドラマでは「ニート」という単語が頻出しますが、巧(長谷川博巳)は35歳という年齢であるため若年無業者を指すニートという言葉は不適切ではないのかもしれません。現代で高等遊民は「プータロウ」という就労可能な年齢等にありながら無職である人の俗称で表現されます。
現代社会ではニート(若年無業者)・プータロウ共に、目標がなく社会に貢献しないという否定的なイメージが付加してきます。価値観が時代によって変化する中、生き方の選択についてバトルが始まります。
あらすじ。
依子の父・俊雄(松重豊)は好きでもない男と結婚(契約内容を確認し契約を締結)すると言う娘を心配し、一般的な男女の行程を経て結婚して欲しいと「デートを重ねてお互いを知る」ことを提案します。依子は父の考えを「幼稚な文化」と否定しますが、何故か同席している鷲尾豊(中島裕翔(Hey!Say!JUMP))の「デートして苦痛な相手と一緒に暮らせるか」との問いに応じデートを楽しむ事を目標に二回目のデートを巧みに提案します。
そして、鷲尾が依子に追い打ちをかけます。
「結婚が契約と言うならば、営業の人間として問います。契約に一番大事なことはなんですか。」
依子は「お互い有益であること」と応えますが、鷲尾は「相手を知る事」だと反論します。必要なら巧のことを調べてみると申し出る鷲尾に対し、依子は「必要ありません。知りたい事があれば直接聞きます。」と応えます。
幼馴染の島田宗太郎(松尾諭)が結婚相談所に提出した巧の経歴には「出版社勤務」と嘘が記載されています。次回のデートでは本当の事を明かそうと決意する巧。事実を知っても彼女は理解してくれると根拠のない自信があるにも関わらず、「奇跡的に僕と結婚する気になっている」から気が変わらない内に結婚に持ち込みたいと宗太郎に相談します。宗太郎は妹の佳織(国仲涼子)と相談しフラッシュモブプロポーズを企画します。初めは「依子を見くびるな、頭の中は数式と理論でできているんだ。そんな歌などで喜ぶような低次元な女じゃない!」と歪んだリスペクト精神と自己防衛からくる恥ずかしさから拒否していた巧ですが、宗太郎に「恋愛に興味が無い女はいない!プロポーズが嬉しくない女はいない!一度恋に落ちたら理論も数式もうぶっ飛んじまう!」という、若干女性を小馬鹿にしたような発言に乗せられながら結構することにします。
そしてプロポーズの必須アイテムの婚約指輪。巧は母・留美(風吹ジュン)に100万かして欲しいと頼み込みます。留美の「どうやって返すのか」という問いには「必ず返す」と応えるも、「消費者金融に借りればいい」の問いに対しては「返せる訳ないじゃないか」と応える始末。基本的に巧の発言には矛盾が多発しています。留美は十数万(指輪代とデート代)を巧に渡します。
遊園地デートに挑戦する二人。目に見えて楽しめない感じです。巧は入場15メートル地点で人に酔って挫折しかけます。依子は映画館や博物館に変更しましょうか?と提案しますが、「苦難も過ぎてしまえば甘美なもの(Byゲーテ)」と頑張る姿勢を見せます。この時点で支え合いひとつの目標に対し立ち向かう二人はお似合いなのではないかと思いました(笑)
それでも楽しみ方が分らない二人、楽しみ慣れているカップルに追従し模倣することでデートを楽しみます。(勿論、依子はカップルに許可を取って追従・模倣を行います)列に並ぶ時間も好きな人といれば楽しい筈、時間を浪費するか有意義な時間にするかはその人次第と解釈した依子はカップルに見習いあっちむいてほいをし出します。(理屈はもっともそうな事をいっていますが、あっちむいてほいが果たして有意義かどうかはとても突っ込みたくなりました。依子、実は天然ボケなのでしょうか。)この時点でストイックに楽しもうとする姿勢は楽しそうだなと思ってしまいました。
次第に童心に返り楽しめるようになる巧、反して何事にも動じない依子は今一つ物足りない様子。カップルに「長続きする秘訣は?」と質問します。「嘘をつかないこと」依子は鷲尾の「相手を良く知る事」という言葉を思い出し、お互いを知ろうと日常生活などを紹介していきます。しかし日常生活に負い目のある巧は依子に誤魔化して話をします。話ができて満足したのか、依子は今日のデートは苦痛ではなかったと話します。
いよいよ、自分が無職であることを告白し、自分の生き方を理解してもらい、プロポーズ・・・というところで、巧の身辺調査を行った鷲尾が参戦し、さらにはフラッシュモブが始まってしまい時間的に追い込まれた巧はドタバタな自体に。
鷲尾の
① ニートである事を隠して結婚しようとしていた結婚詐欺
② ニートは結婚できない
③ (楽することばかり考えてないで)働け!
の休みのない突っ込みにもめげず、巧は高等遊民を語り自身の生き方を語り踊りきりました。
巧「高等遊民とは高尚な生き方。」
依子「社会のシステムからすればエラーです。目標に向かって努力するのが勝ちであり喜びです。」
巧「負け犬でダメ人間で何がいけないんだ!世間が作った倫理観の受け売りにすぎない!人間には色んな生き方があっていい!善とは家畜の群れのような人間と去就を同じうする道にすぎない、それを破ろうとするのは悪だ!(By森鴎外)」
依子「(お母様をさっさと捨てようとしているあなたを)私は軽蔑します。契約を結ぶ資格もない。確かに、色んな生き方があっていい。あなたの生き方を認めてくれる女性もいるでしょう。でも、私は無理です。父がまた泣くから。」
二人のお付き合いはこれで終了しました。
面白かったこと。
お互いの有益な共同生活のための契約という点で合意していた二人ですが、「好きであるかどうか」という論点ではなく、人としての生き方で相反してしまいました。
巧の母が「わざわざ甲斐性なしと結婚する女がどこにいるのよ。」と、どの時代にも共通しそうな観点で息子につっこみを入れているのは痛快でした。確かに、男性が女性に養われているという例も多々ありますが、全てその男性の才能に女性が惚れて行うもので、才能や魅力がないとそれは成立しない。巧は女性は結婚=永久就職という道が当たり前にあるのに男性にないのはおかしいとも主張していますが、永久就職の時代も今やなくなり、現代においては共働きもしくはシングルの流れになってきています。
男女が一緒にいる意味というのは社会の影響を多大に受けます。好きであるかどうかで選択できる時代になり、好きであるかどうかが一つの判断基準である一方、好きでなくても結婚できるという考え方は懐古主義にも感じ、また、現代には必要な判断基準となっているのかもしれません。
依子と巧の共通点として「他人からの指摘を素直に受け入れられない」という一面が見えました。巧は自分の生き方を高等遊民として肯定していますが、言葉の端々には否定するような部分が見受けられます。「仕事を甘く見るな、もう40歳近い自分がどうやって今から働くんだ」という発言は一度でも働くことを考えた人間でないと出てこない言葉です。また、依子は結婚くらいできると自身満々ですが、自分の知らないことを全て低次元・幼稚などと否定して受け入れない性格なので、本来の趣旨や意図を見失っているような所が見受けられます。デートを楽しむのに「自然体」であれば楽しめる筈と言っているにも関わらず、「努力して楽しむ」と言っている所は最大の矛盾だと思いました。
テンポが速いので拾うのが大変なのですが、セリフの端々に隠されたニュアンスが面白いドラマになっています。
最後のシーンで依子と巧が模倣したカップルが大ゲンカして別れていました。好きなだけでは、一緒にいて楽しいだけでは成立しないことをすごく端的に表れていました(笑)
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藪下依子(杏)29歳は国家公務員の理系女子。毎日のごはんメニューは周期的に決まったものを作って食べます。調味料はラベルを貼った容器に薬品か何かのように保管されています。愛車の原付自転車に乗る前には各所点検を怠りません。
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感想の感想(ナカノ実験室)。
『高等遊民(ニート)』、はい解散。実際、私は見てないドラマなんですが、主人公がニートとか、実際にニートの人とか、ニア・ニートの人は、どんな気持ちでドラマ観るんでしょうなあ。せめて、月9は、遠い世界の話であって欲しいぜ(´;ω;`)。
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