ブログ小説・恋「07祝福」
シェアブログ1に投稿 僕には彼女がいた。だが、酷い別れ方をしてしまった。半年も立たないうちに、また、彼女の事をまた好きになってしまった。
「嗚呼あ、彼女、欲しいなあ。」
吉本と飲むと、一度はこんな話になる。
「お前も、そろそろ、新しい彼女、欲しいんじゃない。」
「うーん。そうだな。」
「淋しくないかい?」
「淋しくないと言えば、嘘になるかな。」
「ナンパでもすっか?」
出来ないくせに。
そんな、何でもない話が続く。
「彼女、どうしてるかな?」
違う話題を降る。だが、これが僕の核心だ。
「あー?彼女って?」
「俺の元カノ。」
「お前、まだ、引きずってんのか?」
「うーん。引きずるというか、ふとね。」
「忘れろ忘れろ!お前は、何も悪くない。」
いや、そんな話じゃなくて…。
別れ方が酷かったせいか、当時、誰彼構わず、愚痴をこぼしてたっけ、そのせいで、僕が彼女の話をすると、皆、顔が険しくなる。別れる前は、当然、そんな事はなかった。
「お前、まだ、彼女の事、亜佐美ちゃんの事、好きなのかよ。」
「………。」
「正直に言えよ。」
「俺、まだ…。好きなんだ。」
「…なるほどな。」
「むしのよい話だよな。あんな酷い振り方しておいて…。」
「ああ。」
「でも、だからか、最近、亜佐美の事を、やけに思い出すんだ。」
「…とりあえず、飲め。」
その後、しばらく、二人で黙って飲んだ。
「会いにいけよ。」
「え?」
「好きなんだろ?会いにいけよ。」
「…ああ。」
「踏ん切りがつかないのか?」
「…ああ。」
「馬鹿馬鹿しい。同じ大学で、サークルだって同じだったんだ。お前が気にしなければ、向こうだって気にしねえよ。」
「それゃそうだけど。」
「あー!本当に馬鹿馬鹿しい!何で二日連続同じ話をしなきゃいけねんだ。」
「は?」
「昨日な、亜佐美ちゃんと全く同じ話をしたんだ。この店でな。…お前等、やっぱ、お似合いだよ。似た者同士だ。」
「…それ、本当か?」
「会いに行ってやれよ。…って、今からかよ!?」
「善は急げだ!」
年に一回も使わない台詞を言うと、僕は彼女の家に向かった。
「…全く。損な役回りだよな。」
俺の前には、ウイスキーの入ったグラスが2つ。奴が残したジョニなんとかは、氷が溶けて薄まっていた。
美味くもなんともねえ。………あいつ…、金払わないで行きやがった!
くそう。やっぱ、彼女、欲しい…。神様、ここに1人、バカがつくくらい優しい奴がいますよ。くそ、不公平だ。
ウイスキーを二杯、一気に飲んだ。
END
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