ブログ小説・恋「09不思議」
シェアブログ1に投稿 前々から変だと思っていたが、僕の彼女は宇宙人だったらしい。
「私ね。高校の時、あだ名、新庄だったの。」
「はぁ?」
「ほら、野球選手の。」
「いや、それは知ってるけど。」
「あ、新庄と言えば、ちょっと前のCMだけど、多分、新庄に突っ込まれると複雑な気持ちになるよね。違和感というか。」
「ああ、まあ、そうだね。彼に突っ込まれるのは、違うね。」
「でしょ?」
「…で、あだ名が新庄だったの?」
「あー…、うん。」
「………。」
「………。」
「え?そんだけ?」
今思えば、それは、自分が宇宙人だという告白だったのかも知れない…。
「ごめん(-_-;)昨日は携帯が停電してました。陳謝します<(_ _)>」
ある曜日になると、月曜日なのだが、夜にメールをしても返信が来ない事が多くなった。一体何をしているのだろうか?疑惑は膨らんで行くばかりだった。だから、普段の会話もギクシャクした感じが出てきた。
「昨日はどうしてたの?」
「え?」
「いや、ホラ、メール。」
「あー…。メールした通り、携帯が停電してて…。」
「充電器の側にいなかったって事?」
…とは聞かなかった。あまりにも、詮索がましい。だが、彼女が僕の知らない事をやっているのは確からしい。嗚呼あ、気になる!
ある日、家で寝ていると、彼女が家にやって来て、彼女は僕の家の鍵を持っている、何かゴソゴソしていた。気がついてたけど、気付かない振りをしていた。寝苦しかった。
どうにも耐えられなくなって、ぶっちゃけて聞いてみる事にした。
「一体なんなんだい。最近、おかしすぎやさないかい。」
返って来た返事は…
「そんな事ない。でも、来月の末まで待って…。」
どっちなんだ一体…。来月末に何があるっていうんだ…。
事はあやふやなままに、1ヶ月が経った。そして、今、彼女と二人でいる。
「はい、これ。」
彼女が紙袋を出した。柔らかい。
「何これ?」
「いいから開けて。」
紙袋を開けると、そこには…やはり、彼女は宇宙人だったのか?宇宙服とも見まがう…セーターが入っていた…。セーター…?
「これ、作ってたの?」
「…そう。」
「…ありがとう。」
「初めてだから、全然、上手くいかなくて…」
「そんな事ないよ。寝間着にピッタリだよ。」
「………。」
「あ、冗談冗談。」
そのセーターは、襟元が妙に膨らんでいたけれど、宇宙の真空にも耐える暖かさだろう。
「これ、作ってたから、最近、変…そっけなかったのか?」
「全然、上手くいかないから、慌てちゃって。でも、間に合って良かった。」
「何に?」
「何って誕生日。」
「…あ。」
やはり、僕の彼女は、宇宙人のようだ。地球人類の僕とは、暦が違う!何故なら、僕の誕生日は、もう1ヶ月後だからだ。
END
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